この遺跡は、東バライの東方約500mのところにある。
Banteayは砦と言う意味で、Samre(サムレ)族の砦と言う意味。
遺跡には、北側から入って行く。
右写真は、北門へ向けての道。
遺跡にすぐに入らず、東側に回り込む。
シンハのテラス上から東の参道を見る。
シンハ。
顔が削り取られている。
ライオンをじっくり見た事はないが、前足、後足の形は、実物とは違和感があるが、ヒップの丸みも含めて、親しみを感じる。
東側から遺跡を振り返って見る。
外側の周壁の東塔門の破風。(東入口の南側)
牡牛を崇拝しているレリーフ。
外側の周壁の東塔門の破風。(東正面)
乳海攪拌のレリーフ。
以下はその拡大写真。
大亀クールマ(中央下)の上で、マンダラ山を軸にし、マンダラ山に巻き付いた大蛇ヴァースキを綱にして、神々と阿修羅で綱引きをし、大海を攪拌している図。
マンダラ山を、細い木として表わしており、ヴィシュヌ神(顔が削り取られている)が、その木にとり付き、指揮をしている。
木の先端には、ブラフマー神が坐している。
ヴィシュヌ神の右斜め上方には、阿修羅のラーフであろうか?乳海攪拌で出てきた不老不死の妙薬アムリタを飲もうとしているように見える。
そして、その左右の少し上方の円の中に坐しているのは、太陽神スーリアと、月神チャンドラ。
ラーフが、アムリタを飲もうとしている事に気が付いた太陽と月が、ヴィシュヌ神に言い付けている場面ではなかと思う。
ラーフがアムリタを一口飲んだ時、ヴィシュヌ神がチャクラでラーフの首を飛ばした。
アムリタを飲んだラーフは、首だけで生き残る事になり、太陽と月を恨んで、太陽や月を食べてしまう。しかし、首だけなので、食べてもすぐに出てしまう。これが日食と月食を引き起こす起源となった。
東塔門のまぐさ石。(東正面)
その拡大写真。
クリシュナが、カーリア竜と闘っている場面。
東塔門のまぐさ石。(西面)
この破風は、ガルーダに乗るヴィシュヌ神。
その拡大写真。
この周壁は、砦のように高く(6m)、重厚なのが特徴だ。
内側の周壁の東塔門の破風。(東面)
下は、その拡大写真。
Vittorio
Roveda著「Images of the
Gods」によると、Maraと言う幻影の悪魔達が仏陀に襲いかかる場面らしい。なぜヴィシュヌ派の寺院に仏陀が?よくわからない。
今は、削り取られているが、一番上の寺院の中に仏陀が座していたのであろう。下段には、戦車やシンハや象に乗った幻影の悪魔達が弓を射て、仏陀の瞑想を邪魔している。
寺院の下には、太陽神スーリヤ、月神チャンドラが侍している。
拝殿の中には、方形の石の箱がある。
箱の下部に開いた穴から死者の灰を流したらしい。
祠堂の偽扉。
南側経蔵のレリーフ。
その拡大写真。
弓を射ている。
何の場面か不明。
主祠堂。
これは、内側周壁の西塔門の破風。(東面)
下は、その拡大写真。
円盤の中は、太陽神スーリヤと、月神チャンドラがいる。
その下の苦行者達に、崇め祀られている。
これは、アナンタ竜の上に横たわるヴィシュヌ神。
下は、その拡大写真。
アナンタ竜には、鱗と前足、後足がある。
ヴィシュヌ神の臍から、蓮の花が伸び、その蓮の花から、ブラフマー神が誕生している場面。
しかし、蓮の花の途中で枝分かれし、ブラフマー神の下の2人は誰?
これは、主祠堂のピラスターのレリーフ
クリシュナが、カンサ王が呼び寄せた悪魔ケーシンが化けた馬と闘っている場面。
このまぐさ石も、クリシュナ?
下は、その拡大写真。
カンサ王の誅殺の場面か?
但し、通常、この場面は、クリシュナは、素手であるが、ここでは、
槍のような物を持っている。
これは、内側の回廊の北塔門の破風。(南面)
その拡大写真。
アプサラスと、
ガンダルヴァ。
この破風は、ラーマヤナの一場面であろう。
下は、その拡大写真。
中央の人物は、大きく削り取られているが、
摩王ラーヴァナ?と闘っている猿の軍団。
この破風は、何の場面か?
帰り道。
ちょうど落日の瞬間。